上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
役柄に惚れて、その役者さんがどんな方なんだろーって興味を持ちます。
でも惚れた役者さん目当てでドラマは観ないですね。あー、観れないんですよ。惚れ込んだ役柄の余韻を引き摺っちゃってww「この浮気者(><)」なんて変な立ち位置で観ちゃってますww

最終回を観たドラマは、
華麗なる遺産 ファン・ジニ 秋の夕立 ありがとうございます
ぐらいですねー。結局キムタックも観る前に消されちゃったんです。残念。面白そうだったのに(><)

メジャーではないですが、「秋の夕立」は個人的にすごく好みな結末でした。
結婚直後に交通事故で植物人間になった妻。回復を信じ献身的に待ち続ける夫。そんな彼を支える妻の親友。早くも2年が過ぎ「駄目だ」とわかっていても恋に落ちてしまう二人。そして絶望視されていた妻が目を開いたのだった。
ってな話だったと思いますww
男がどっち付かずでやきもきするのですが、女二人がすぱーーん!とキメてくれますv


さてさて、続きからは豆トンですー。
なんだか同じところをぐーるぐる回ってるような話ばっか書いてるなーと思いつつも、トンピを通じてのすべてのテーマが「ずっと一緒に」みたいです。一昔前のトロのようですねww

 
 踏み出た影は、月の光も届かない闇に直ぐに馴染む。
 それでなくとも気配さえ消したその男は、昼日向でも誰かの目に触れることはないだろう。そうして更に注意を払い扉を潜れば、煌々と灯る我が家が出迎えてくれた。
 このままトンマンが眠っていてくれていますように、と後ろ髪を引かれまくって出向いたピダムの右眉が跳ね上がる。不測の事態だからと呼び出したNY支社長の命運は、これにて相決まった。

 シーツの波間に、力なく俯いた丸い小さな背中。
 眉を寄せたピダムがそっとトンマンの肩に触れれば、すぐにその手は振り払われてしまった。
 
「…っ、やだ!! 触んないで! ピダムのウソつき!!」 
「トンマン……、ごめんな」
「…う、ウソつくピダムなんて、キライだもん! あっち行ってってば!」

 強くなる語尾とは裏腹に弱まる涙腺が悔しいのか、トンマンは必死に抑えようとしているのだろう。だが迸る激情は、小さな桃色の口元を戦慄かせる。

「……母さんがお仕事のときは、『ピダムさんと、いっしょにいなさいね』、って言ったのに」
「……トンマン、」
「でもピダム、勝手に、…いっ、いなくなっちゃうし……!」

 居ても立ってもいられなくなったピダムは、反射的なまでにトンマンを抱き締めた。
「やだー! やだってばぁ!!」と抵抗するトンマンの四肢と声とがピダムの体温に受け止められ、そして静かに混じってゆく。
 ピダムは何も言わなかった。ただゆっくりと癖のない髪を撫で、その背をあやし続ける。
 ……そしてじわりと、失くしてしまいたい過去が、ピダムの脳裏に一石を投じた。その波紋は音もなく広がり、今でもピダムの鼓膜を振るわせる。

『本宅とは名ばかりだわ。だって旦那様も奥様も……ねぇ』
 ぼくは本当は、ここにいない。だって、誰もぼくに気づかない。
『お前はあの女にそっくりだ。見ていてぞっとする』
 だから、きっとぼくではない誰かへの言葉だ。
『ごめんね坊や。私にとって、お前は--』
 夢でしか会えない人。 
 知っているのでしたら、どうか教えて欲しいんだ。

「ぼくにも、"お母さん"がいるのですか?」
 
 --過去は過去。過ぎ去った日々をいくら脚色しようと変わらない。すべては詮無きことだ。
 だが、ピダムは思わずにはいられなかった。
 己もこのように心のままに想いの丈を吐き出したならば、何かが変わっただろうか。
 言葉で表わすよりも感情に振り回され、悔し涙を流したならば、この頬を拭ってくれる手が、果たして差し伸べられただろうか。--すべてを諦める前に、少しでも、何かが変わっただろうか。
 
 ピダムは双眸を閉じ、少しだけ微笑を口元に乗せる。その顔は笑っているのに、同時に隠しきれない哀しさが伺えた。

「ごめんな、突然いなくなって。俺も、トンマンと離れたくなかった」
 もう今更、あの人たちを父と、母とは呼べない。
「ずっと、傍にいたかった」
 一人が当たり前になった。もう誰も求めない代わりに、決して誰にも傷つけられない。
「なぁ、もう泣かないでくれよ、トンマン」
 他人を信じる生き方を放棄すれば、随分と呼吸は楽になった。

「……ピダム、」

 トンマンの真っ赤に腫れた目蓋が、殊更大きく見開かれている。

「わたしと、はなれたくなかったの?」
「うん」
「早く、わたしと会いたかった?」
「うん」
「……わたしと離れてる間、さびしかった?」
「…あぁ、そうだな……」

 背中に回されたトンマンの腕が、ぎゅっとその輪を縮めてきた。「どうした?」と、ピダムが胸元を見遣れば、落ち着きを取り戻したトンマンの瞳に、見る間に滴が満たされてゆくではないか。

「え、トンマン?」
「だいじょうぶだから!!」

 勢いのあるトンマンの言葉に、もう一度ピダムは同じ問いを繰り返した。

「ずっと、ピダムのそばにいるからね! ピダムがどっか連れて行かれそうになったときは、わたしがそんなやつらから、ぜったいに守ってあげる! けっとばしてかみついてやるから、ピダムはあんしんしてここにいて!! だから、だから--」

 息が咽喉に詰まったのであろう、咳き込む背中をピダムが慌てて擦ってやるも、それでもトンマンは先を続けようとした。

「だからっ、……なっ、…か、いで…っ!」
「トンマン落ち着いて。トンマンの気持ちは、よくわかったから、な? 俺、すごく嬉しいよ」
「うれしい? ……ほんとに?」
「あぁ、勿論だ。トンマン傍にいてくれて、すごく嬉しいよ」

 それでもじっと見上げるトンマンに笑ってやれば、漸く納得したのか笑顔を見せてくれた。
 釣られるようにピダムもトンマンの顔に倣えば、不思議と軽くなった心を感じる。身体は敏感にその動きを感じ取り、心地よい疲労感がピダムの神経を和らげた。

 あの言葉を思い出した日は決まって嫌な夢を見るのだが、きっとこの小さな手が悪夢を蹴散らしてくれることだろう。
 いつも以上に身を寄せてくるトンマンに首を傾げつつも、ピダムは何の憂いもなく目を閉じた。彼の穏やかな吐息は腕の中の温かい熱に混ざり、深まった闇に優しく解けていった。


***

 白日の名の下に曝け出されたピダムの自室は、それは見事なものだった。
 カーペットは捲れ上がり、ワードローブも中身をぶちまけられ、小さなシェルフでさえご丁寧に階段状に引き出されていた。知らないものが見れば、「ちょ、空き巣ですか!?」と突っ込むところだろう。
 暫し唖然とするピダムに、トンマンがあわあわと繕った。
 
「だっ、だって、もしかしたらピダムがどこかにかくれてるかもしれないって思ったんだもん!」


僕らはずっと呼び合って  end.
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://migime1818.blog24.fc2.com/tb.php/99-22d0f469
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。