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こんな作文たちに、拍手を送って下さった皆様、本当にありがとうございます!!
応援して下さる方がいらっしゃる軌跡は、とっても心強く私を励ましてくれます。
とってもとっても嬉しいです(´Д⊂

さてさて今回は、書いてる本人が一番吃驚しております、ラブコールを頂きましたにゃんこの続編です。

この無茶な設定を活かすべく、通常の対ピダムでは絶対に言わないであろう台詞を入れてみましたv
そんなトンマンを想像してニヤニヤしてる私が一番お目出度いって言うか、イタイって言いましょうか(爆
いつもの如く、ゆるーくぐだぐだですv


「逃げられない」と感じさせる行為を、猫は本能的に嫌います。
抱きしめてあげるときは、十分に注意しましょう。



「……ふむ、」

 就寝前のひととき。
 購入したばかりの小冊子に打ったトンマンの相槌を、「呼んだ?」と言わんばかりにピダムが嬉々として応じた。
 ちなみに現在の体勢といえば、仰向けになったトンマンの胸元に、黒猫がびたーーっとくっ付いている状況である。
 我が物顔で己の身体を占領するピダムを何度も引き離そうとする度に、哀しげに鳴かれてしまっての結果であった。

「……ピダム」

 本を放った右手で小さな頬を撫で上げ、トンマンはそのままぎゅっ、と両腕にピダム閉じ込めてみる。
 ……ぴくりとも動かない。
 これは大丈夫な抱きしめ方なのか、とトンマンが納得したところで力を緩めると、にぁ、とすかさず抗議の声が届いた。
 --では、これはどうだろう。

「ピダム、ちょっとだけでいい。離れてくれないか?」

 首根っこを軽く引っ張ると、まるで嫌々するように、ますます胸元に顔を埋められてしまった。それでも爪を立てないピダムを褒めてやるべきか、主の言葉に逆らう行為を咎めるべきか……。
 トンマンは突っ込むべき優先順位を探す時間を割くよりも先に、手っ取り早く実力行使に出た。

「…んっ、」

 くるりとうつ伏せになってしまえば、ピダムの背はシーツへと飲み込まれるだけだ。
 簡単に成功したとトンマンが見遣れば、咄嗟に出してしまったのであろう爪先に、確りと夜着を掴まれているではないか。
 先ほどの攻防でやや肌蹴ていたこともあり、今夜は風もない。もうそれならと、膝立ちになったトンマンは、がばりと上着を脱いだ。

「…ふぅ」

 手っ取り早くピダムの爪先を自由にさせると、黒い体の横に左手を付く。
 大きな目を更に大きくさせているような気がするピダムを、トンマンは思案しつつじっと見下ろしてみた。
 --逃げられない抱きしめ方、か。……圧し掛かっては重いだけだしな。
 
「ピダム、怖がらなくていい。お前が嫌ならば、すぐに止めるから」

 怯えさせないよう咽喉を擽ってやると、目を細め、いつものように気持ちよさげに鳴いてくれた。 
 
「いい仔だ…」

 そのまま、ゆっくりと上体をピダムと同じ目線に持っていくと、横になったトンマンの視線に合わせてピダムの双眸も動いてゆく。
 その絶対に離れない視線が可笑しくて、思わずふふっと笑みが口を吐けば、にやぁん、と小さな頭がトンマンの首筋に潜るように収まった。
 結局、いつもの体勢になってしまった。こうなってしまえば残るはもう、就寝を告げる合図だけだ。

 ぴすぴすと動く鼻が可愛らしくて思わず寄せてしまった唇に、これまた何度注意しても直らない、ざらりとした舌先が触れた。


***

 翌朝、昨夜の行為はせめて昼にすべきだったとトンマンは後悔した。
 思った以上に気温が上がった深夜。
 ピダムが風邪を引きかねないことと、トンマン自身、人工の風を嫌う嗜好もあり、一言で言えば大変に寝苦しい一夜となってしまったのだ。
 
 なんせ己の体温でさえ持て余す最中に、より体温の高い毛並みが、追い払っても引き離しても、びたーーーっとくっ付いてくるのである。
 
 気合で僅かながら眠れたものの、ほぼ一晩中動き回った所為で髪は解け、服さえも肌蹴けている有様だ。
 漏れそうになる溜息を抑え、手櫛で後れ毛を纏め上げる。と、そんなトンマンをじっと見上げ、皺だらけのシーツの上で嬉々として身を捩る、彼女を疲弊させ続けた温石もどきが一匹。
 ……何がそんなに嬉しいのか、疲れた朝を迎える羽目になったトンマンには、さっぱりわからなかった。

「……はぁ、寝汗が気持ち悪いな。ピダム、一緒にシャワーでも浴びるか?」

 跳ねるように飛び起きたピダムの身体能力に今更驚くことなく、緩んでしまったホットパンツの紐すら面倒になったトンマンは、そのままウエストからストンと落とす。
 そのまま大股で進む足元に纏わり付きながらも、必死に何かを喚くように鳴く愛猫を尻目に、トンマンは気だるく「わかった、わかった」と繰り返した。

 腹がすいたのなら先に作ってやらねばな、と愛しい愛しいトンマンがまったくの的外れな予想をしているなんて、今のピダムにはわかろう筈もなかった。


「逃げられてしまう」と感じさせる行為を、ピダムは本能的に嫌います。
抱きしめてあげるとき以上に、離れるときは十分に注意しましょう。



手引書なんて要らない君  end.
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