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2013.08.19 out of the rain
お待たせいたしましたーv
えぇもちろん、頂いたイラストを見せびらかすのが目的です。
どうUPしようかしらとワクワクしてました。私ばっか楽しんでどうもすみませんヽ(〃∀〃)ノ

添え物のお話は豆トンです。
本人が思ってた以上に「……大丈夫か、これ」な、お恥ずかしい仕上がりになっております。
りばさんのイラストは上部にありますので、お手数ですがそこまですっ飛ばしてくださいませ(_ _;)
パスワードも考えましたが、この素敵なイラストを是非見て頂きたいですよー(><)



ふと暗くなった視界に、トンマンは遮るもの一つ無い四角い空を見上げた。
灰色の雲は地上を焦がす陽を覆いながら、群れを大きくしている。そうして黄昏時に呼ばれた雨は風に邪魔されず、控えめに穏やかに窓を弾いていった。

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(さらさら…)

指の間を砂のようにこぼれてゆく黒髪を、トンマンは飽きもせずすくい上げる。
雨に眠りを誘われたのか、目を閉ざした侭のピダム。
その無防備な姿が嬉しくて、もっと近くで吐息を感じたくて--でも、隣はなんだか気恥ずかしくて--、日の浅い恋人の旋毛を抱えるようにして、そっとトンマンはその身を横たえた。

小さく聞こえる雨音と、薄闇を纏う部屋。
そうしてふと湧き上がった衝動を意識として自覚するよりも先に、ついトンマンの手は伸ばされていったのだった。
ゆったりとした吐息が途切れなかったことで我が意を得たトンマンの指は、更にピダムの肌を闊歩してゆく。額にかかる髪を横に流し、顕になった額ごと手のひらで撫でた。

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それはトンマンの幼い頃の記憶の再現だった。
髪に触れるピダムの手はいつもあたたかくて……。
今思えばあの頃から、トンマンはピダムに髪を撫でられることが好きだった。
目を上げれば、いつもやさしい眼差しが待っていた。
喜びも哀しみも怒りも受け入れてくれる黒い瞳。その深い色に守られていると気づいたのは、いつだっただろうか。
彼は、はにかむ笑顔でよくこういってくれた。

『トンマンは、いい子だな』

朝も夜もなく働く母のお荷物ではなく、大好きな母の為になる存在になれるのだと教えてくれた。
その言葉はトンマンのなかで勲章となった。

そんな勝気で小生意気だった自分を思い出し、トンマンはくすりと微笑った。
小さく、ピダムの睫毛が震えた。
トンマンは遊ばせていた指の代わりに、その笑みを額へと近づかせた。

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「ピダムは、いい子ね……」
「--"いい子"への報酬は、それだけか?」

確りと開いた双眸が悠然と笑っている。
起きて欲しかったとはいえ、こんなに近くで見詰められるのは、まだまだ慣れることができない。
そんなトンマンを見越してか、ピダムは手にしていた雑誌を放り投げ、とんとんと自分の隣のスペースを叩いた。

「おいで」

--ピダムは狡い。嫌だと言えないではないか。
トンマンが既に定位置になりそうな逞しい肩に身を預けれると、長い指が頬を撫で、そのまま大きな手のひらに包まれた。
その一連の様は熱くなっている頬を思い知らされるようで、鷹揚に構えているピダムとの差を見せつけられているようだ。
トンマンは今も微笑っているであろう瞳をキッと睨みつける。

「見ないで。触らないで。あっち行って、ピダム」

プイッと横を向くも、トンマンの手はピダムの胸に添えらている。
少し下げただけでも触れられる白い額へとピダムの唇が落ちてくると、トンマンの頬が増々薔薇色に染められた。

「キス、していいって言ってない」

投げつけた言葉に笑みを深くしたピダムを、彼女はまた上目遣いで睨む。
いくら睨もうが憎まれ口を叩こうが、むしろ--という男心がわからない故に無意識で男心を擽るトンマンの、その華奢な肩に回した腕でピダムは彼女を抱き締めた。

「俺はトンマンを見たいし、トンマンに触りたい。俺はお前の傍にいたいんだけどな」
「……私がイヤって言っても?」
「あぁ。お前が嫌がっても、こうして……、ずっと傍にいる」
「じゃぁ、許してあげる」

そう言うと広い胸の中で、トンマンはくったりとその躯を休ませた。
軽口に任せて、トンマンはピダムを縛る。目を閉じて思うことは、いつも同じだった。
(離れられないのは、私の方なのに……)
それなのに、意地を張ってしまう自分を止められないのだ。
こうして彼の隣にいる権利を与えられても不安が消えず、後悔するとわかっているのにトンマンはこの行為を繰り返してしまう。どうして素直に、可愛く振る舞えないのだろう。
内罰的な思考に陥ったトンマンの背に、頬から離れたピダムの手がするりと伸ばされた。

「……きゃっ! ……えっ、ピダム!?」
「ん、どうした?」
「どう、したって、……ん…!」

顕になった肌を吸われ、つい出てしまった声を抑えるようにトンマンは口元を塞いだ。
その両手がピダムに取られ、指先へとそっと口づけを送られた。
それはまるでトンマンの暗い影を四散させるかのように、ゆっくりと触れるぬくもりが心までをも包み込むようだった。

「もっと、お前を感じたい」

劣情の光が浮かぶ黒が、トンマンを射抜く。
けれども次の瞬間、ピダムはにっこりと微笑んで、

「俺は"いい子"なんだから、褒美を強請っても構わないよな」
「あれは、そんなつもりで言ったんじゃ……、」
「ふぅん、じゃぁどんな意味だったんだ?」
「どんな、とかじゃなくて……、っ、ピダム…! そもそも、いい子はこんなこと、しないってば…ぁ」

トンマンのそれよりももっと大胆に、ピダムの指は女の肌を闊歩してゆく。
それでも上げられた抗議の声は、勢いを増した雨を以ってしても冷めることを知らない男の熱に、高く甘く溶けていった。


***


長く深く紡がれる吐息を、ピダムは胸の中に閉じ込める。
彼は飽きもせず、やわらかな髪をいつまでも撫で続けた。
誰にも奪われず、何処にも行けない心を抱き締めて、男は漸く眠りに就く。
雨音は既に、遠く消えていた。




読んでくださった方の印象がとっても気になる品をお届けしてしまいました。
お話は添え物ということで、どうぞお許しください(_ _;)
コラボを快諾してくださったりばさん、本当にありがとうございます。この夏に残る、(・∀・)ニヤニヤーな思い出ができましたv
最後まで読んでくださって、ありがとうございましたv


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