上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ドラマの舞台設定はお借りしてますが、まったくのifものです。
トンピがそれぞれ違う国の公主と太子として生まれておりますー。

ものっそい遊んでおりますので限定記事としまして、もし続きを書けましたら、それも2~3日ぐらいで下げようと思いますv

読んでくださった方、拍手を押してくださった方、そしてmukugeさんとほっち様……!
うわぁん、お言葉とっても嬉しかったです。ありがとうございますー!・゚・(゚うェ´゚)・゚・


平和でのどか、を絵に描いたような毎日でした。
この国の王様は血を好まず、領地こそ小さなものでしたが、トンマンはそんな父といつも穏やかに微笑む母、そして双子の姉が大好きで、幸せだと気づかずに幸せの中で息をしていました。

そして十三回目の生誕を真近に迎えようとするある冬の日。
姉姫は一目惚れをした殿方とめでたく結ばれ、近隣諸国の王侯たちも招いての盛大な宴が催されることになりました。

「……あねうえ、」

トンマンは誰もいない四阿の片隅で、ぽつりと零しました。
完璧な月と無数の星たちが、燭台の炎に劣らず美しい光を放っています。ですが今のトンマンには何の慰めにもなりません。
相応しいことばを贈らねばならぬとわかっていても、募る寂しさは隠せないものです。カチェに挿された美しい銀細工が小さく音を立てるのにも構わず、トンマンは両目を乱暴にこすりました。

「……心から、お祝い、申し--」

こうしてひとりこっそりと練習しているのに、ちっとも上手に言えません。もう一度顔を洗いに行こうと、トンマンは座り込んだ切り石からそっと様子を伺いました。

「わぁっ!?」

振り返ると、見知らぬ少年が目と鼻の位置に居ました。こんなに近くまで詰められても、何の気配も察することのできませんでした。
年の頃は変わらないはずなのに口元を塞ぐ手は大きくて、体躯もトンマンよりも少し高いだけなのにびくともしません。
けれども何がなんでも剥がそうと、トンマンは必死にもがきます。

「そんな暴れるなって、」

その原因を作っているのは誰だと、トンマンは眼差しに込めて相手の目を睨みつけました。そうすると、彼は「へぇ」とひとこと言い、人差し指を自分の唇に当てます。
トンマンが一つ頷くと、少年は嘘のように両手をぱっと離しました。

「……で、何してるんだ、お前」
「お前こそここで何してるんだっ」

間髪入れず、トンマンは返しました。王族としての言葉遣いも吹っ飛んでいました。
ですが少年の身なりは村の子どものそれと変わらず、万が一の可能性として、遠方から招いた高僧の弟子かもしれないと思い返しました。ですが、トンマンは慌ててその考えを打ち消しました。
一瞥した直感が間違っていないと確信したのです。トンマンは細心の注意で持って少年を観察しました。

--兵を呼ぶべきか、否か。

友国とはいえ他国の王たちが片やこの宮殿で寝み、片やこちらへ向かっているのです。この少年の目的がわからない以上、ありとあらゆる危惧が浮かんできます。
それほど少年を取り巻く雰囲気は、トンマンが見てきた者たちの持つそれとはまったくの異質でした。
そうして警戒を引き締めにもかかわらず、トンマンの腕は彼の手によって再び引かれてしまいました。

「ふぅん、面白いな、お前……」
「なっ…!」

トンマンはまた目を大きく見開くことになりました。
なにせ、少しでも動けば鼻先が触れそうな位置に警戒すべき顔があるのです。ふざけあって遊んだ記憶にも、ここまでの距離を許したことはありませんでした。
見知らぬ少年に何をされるのかわからない恐怖が、トンマンの心臓の音を大きくさせます。
ですが震えそうな足を踏ん張り、トンマンは先程よりも目に力を込めました。

そんなトンマンの真っ直ぐな視線を受けた少年は口端にだけ乗せていた笑みを一転、からからと白い歯を見せ堪らないと言った顔で笑い出しました。

「なんなんだお前は。なにがそんなに可笑しい。いったい、お前は何の目的でここにいる!」
「……いやぁ、悪いわるい」

少年はちっとも悪びれていないさまを、隠す気すらないようです。取り戻した右腕に安堵するよりも、このようなあからさまな"謝罪"にトンマンの頬が桃色に染まります。
声を収めた少年は、そんなトンマンの頬の色よりも赤い唇に

「思ってた以上に、お前が可愛くてさ」

刹那の風のように、けれど確かな熱を残しました。

「なっ、なっ……!」
「あ、俺はここに祝いに来ただけだから」

トンマンは二の次が告げす、防ぎきれなかった己の口元に手を当てることしかできません。
そんな固まった少女を尻目に、少年は軽い足取りで四阿に背を向けました。
手を振り「またなぁ」と笑う影に向けて、トンマンは「二度と会うか!」と投げつけました。
まったく変な奴に会ったとトンマンは肩を怒らせ、両目を乱暴にこすった手で今度は唇を拭いました。


***


「……またお前は、どうしてそのような格好をしているのです」

戻った少年を一目見るなり眉を顰めたのは、彼の叔父に当たる男でした。

「ニャーニャー鳴く猫が煩いので、ちょっと黙らせてきただけですよ」
「そうですか、そうですか。そのような猫がいたのですねぇ。……ですが猫というものは一人にすると、また鳴くものです」
「そうですか、では明日も確かめるとしましょう」

訳知り顔で目尻を下げる羽扇越しの顔を、少年はさくさく横切ります。
明日には正式な場で会えるであろう少女--トンマンの反応が楽しみで仕方ないと、月灯を枕に彼は一段と深い笑みを浮かべました。



また変な設定でごめんなさい(>ω<)
読んでくださって、ありがとうございました。
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://migime1818.blog24.fc2.com/tb.php/242-4b5a43b8
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。