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お世話になりました諸先輩方へのお礼もまだまだ言えてないのですが、昨年こんなぐだぐだブログへご訪問してくださったへ、せめてものお礼を……とちまちま書いてはいるのですが、終わりが見えません(´Д⊂
じゃぁ改めて一つ、短編でも……と書いちゃったのが

豆トン逆バージョン!ピダムが年下で幼児でドン!!
です。(……ドン?)

その通りに当初は年齢差を付けて書いたのですが、それだとピダムが。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。この状態になってしまいました……。すみません!今回は8歳差ということで、お許しください。

新年早々、お願いばっかで申し訳ないです。
昨年は拍手を頂いたり、お言葉を掛けて貰ったりと、本当にありがとうございました!
少しでも楽しんで頂けたら、とっても嬉しく思います。


 帰宅早々、メイドに「あの、ピダム様が……」と申し訳なさそうに言われてしまった。ならばあのお子様は、部屋の前でうろうろしてるに違いない。その情景が浮かんだトンマンは笑みを噛み殺し、「では、お菓子をお願いしますね」と、脱いだ上着をメイドに渡した。
 
 ピダムは一度、トンマンの自室へ勝手に踏み込んだ前歴があった。当然、トンマンは厳しく叱りつけた。無知と幼さといたいけな瞳を武器にしたピダムに、マヤでさえほだされそうになったところを、トンマンはぴしゃりと一蹴したのだった。
 --だが大泣きしたピダムに、一昼夜べったりと貼りつかれてしまうとは、さすがのトンマンも予想だにしてなかったのだが。
 
 二階へ上がると案の定、名門幼稚舎の洒落た鞄を肩に掛け、赤い小箱を持ったピダムが満面の笑みで待っていた。

「おかえり、トンマン!!」

 次いで「はいっ!」と差し出された右手には--

「ポッキー……?」

 目線を合わせるべく膝を下ろすと、とてとてと、まぁるい頬が擦り寄せられた。「ただいま、ピダム」トンマンも笑を返し、手を繋いで部屋へ通してやる。「おじゃまします」と、ちょっとずれた台詞もいつものことだ。ピダム曰く、「おれは、れいぎをおもんじるオトコだから!」とのことだ。
 その件のオトコは右手でぎゅっとトンマンの手を握り、左手に持ち替えられた菓子の箱を確りと胸に抱えていた。
 
 静々と美しい所作でテーブルに置かれてゆく甘味には見向きもせず、ピダムはトンマンだけを一心に見詰めている。
 その間にも、トンマンはピダムと一緒に手洗い、うがいをきちんと済ませ、既に指定席となったソファへ二人して腰掛けた。

「たべて! トンマン、ポッキーたべて!」
「はいはい。ありがと」

 向き合い、ちまちまと包装紙を開けた小さな右手が差し出すポッキーを、トンマンは口に入れた。

「ダメぇーーー!!」
「えっ、何?」
「こっちから、ピダムがたべるの! トンマンが全部たべちゃ、だめなの!」

 ……どうやらこの幼児は、どこぞで仕入れたポッキーゲームをご所望らしい。「じっとして!」とそれこそ至近距離で言われて、じっとしてるのは、ポッキー云々関係なく、このゲームが齎すであろう結果に「待ち」状態でいることを意味しているだけだ。

(色気づくには、ちょっと早いんじゃない……?)

 まぁあの母にしてこの子有りだ。流し目一つで男を虜にしてしまう女性が、ピダムの生きる手本なのだ。むしろあの母ならば、「まぁ、この程度で……。トンマンは中等部へ上がった聞きましたが、初心(うぶ)なところは変わりませんね」と高笑いされてしまいそうだ。
 
 遠慮無くぱくついてきた唇に、おー思った以上に顔近いなぁと、至極冷静な感想をトンマンが漏らしたところで、

「ねぇ、ピダム」

 唇を離すと、あからさまにムッとした顔が向けられた。

「じっとしてって--」
「はい。も一回する?」

「なっ…!なっ……!!」と頬を押さえて口籠るほっぺは真っ赤で、あー、悪いことしたかなぁとトンマンはちらりと思った。
 とはいえ、既に彼が赤児の頃から数少ないながら、これくらいの接触は経験済みのことなのだ。
 急にこんなことをピダムが言い出したのは、きっとTVか何かを観て自分もやってみたくなったのだろう。何でも真似たくなる年頃なんだよねーと、トンマンは子供ながらに先人振った笑を浮かべ、柔らかく流れるピダムの髪をやさしく梳いてやった。

「ねぇピダム。今日もいっぱい遊んで、いっぱい勉強した?」
「……し、した! あのね、そうすれば『いいオトコになれる』ってババァが言ったんだけど……、ほんとう?」
「こぉら、『お母様』でしょ! うん、お母様の仰ることは本当のことよ。頑張って、いい男になってね」
「そ、そしたらトンマン!!」

 更に距離を詰められ、更に耳まで真っ赤に染まったピダムに抱きつかれる。トンマンの背中に回された腕の力は、痛いほどだった。

「--おれの、ほんさいになってくれる!?」

 ピダムの瞳がキラッキラッに光を放つ。でっかい目だなぁと、暢気に構えていたトンマンは一瞬反応が遅れた。
 
「………。……はぁ?」
「ほんさい! おれが、だんなさまなの!!」
「はぁ、で、私が?」
「ほんさい!!」

 トンマンの脳裏に、あの笑みが声を伴って過ぎった。

(おじ様、幼い甥にあなたは何を教えてらっしゃるのですか……)

 色々と突っ込みたいこともあるが、気にしたら負けなような気がする。

「……あぁ、うん、はいはい。わかったわかった。ピダムがいい男になったら、考えてあげるから」
「ほんと!? や、やくそくだからね、トンマン! ぜったい、ぜったい、まもってね!!」

 それでなくとも子供心は気まぐれで、移り気なものなのだ。己の年齢を棚に上げて、トンマンは花の香りのする紅茶を啜った。この子が大きくなる頃には、きっと相応の好きな女の子ができるだろう。
 それに抑々トンマンは、「考える」と言っただけだ。それでも、純粋に慕ってくれる心に悪い気はしない。

「じゃぁトンマン! ここで、ちかいのキスして!」
「もう二度と私の部屋に入れなくてもいいならしてあげる」


隣の家のピダムくん  end.
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