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2011.11.15 嵐の夜に
りば様のお宅で、ときめきメモリアル(え)な情報を頂きました。(相変わらずのストーカー振りww)

こ、国婚……!でもって初夜の儀式……!! 

何その「お御足」から入る大人の儀式……!
……で、勢いで書いちゃいました。珍しくトンマン視点です。
ええと、ドラマ設定で書かせて貰ってます。ですが、りば様のご指摘のとおり「差異アリ」だと思います。
ですので、そこのところの前提が大丈夫な方でしたら、短くて拙いものですが、どうぞーv



トンマンは浅くなる呼吸を知られないよう、吸い込んだ息を尚更少しずつ、ゆっくりと吐き出した。
 でなければ、眼下で静かに瞬く睫毛が僅かにでも戦ぐようで嫌だったのだ。未だ、その双眸を見返したくはない。

 ピダムは--否、未来の夫である男は、晴れやかなこの日に一度もトンマンと目を合わせようとはしなかった。
 ピダムとて、鯱張った儀式の妙な重圧もあるだろう。暗に、気を遣っているに過ぎないのだ。--と、なんとか腑に落とそうとトンマンが言い聞かせていたのも、闇が色を付ける頃には苛立ちに変わった。

(そうか。そんなにお前は、私の顔を見たくないのか。……7日振りだというのに!)

 跪き、黙々と手順を進めるピダムの表情は、トンマンからは当然伺いようもない。もうその気すら失せ、刻々と変わる葛藤すら馬鹿馬鹿しくなってしまった。

 香油が足され、トンマンの右足を辿るピダムの指は、より滑らかに行き交う。
 そして今度は両手で、閉じ込めるように包み込まれた。すっぽり収まった足をちらりと見遣り、なんだかそれだけで、トンマンは己の躰が小さくなった不可思議な心持ちになる。
 それからまた褐色の指は、トンマンの桜貝のような爪の際を丁寧に縁どり、余すところなく這わせてゆく。それこそ指の間にまで、ねっとりと香油が滴り落ちた。
 
 鼻を擽る、果実のような甘い匂い。熱を帯びたこの香油の香りだろうか、それとも炊き詰めた香なのだろうか。一呼吸毎に肺を満たし、考えが纏まらなくなる。酩酊したように、頬が暑かった。
 不意にまた、右足の親指と人差し指の間を、すっ、と意志を持った指が上へ、上へとなぞってゆく。
 燭台の炎を反射する、朱を掃いた肘掛を握るトンマンの手に、より力が込もる。合わさった膝が、知らず上下した。

「……っ、ピダム…!」

 堪らず口を吐いた言葉は行為の静止の為の声なのか、それとも、よりその先を求める欲求を満たす為のものなのか--。
 自分自身でさえわからない。けれどトンマンの身の内から出た声は頼りなく、気づけば縋るように呼んでしまった。

「--陛下」

 静かな、声だった。
 だが触れる指は灼熱のようで、脚に微かに触れる吐息ですら熱を帯びていた。そしてゆうるりと声の主に見上げられた刹那、トンマンが逢ったのは劣情を湛えた深い闇を有する、黒曜石の如き双眸であった。

「……あ、…っ!」

 その見覚えのある色の更に奥、貪婪さとも呼ぶべき獰猛な光を、闇よりも濃く縁どられた男の虹彩に認めた。そして唐突に、本能はトンマンへと告げた。
 もう言葉は、言葉以上に意味を成さなくても構わないのだ。
 ここにいるのは既にただの男と女でしか在らず、ただ今は、二人を隔てるものなど何も、何一つ要らないのだと。


嵐の夜に  end.
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